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家具への想い 2

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「ユーザーから求められる物をただ作ればいい。」よくその言葉を耳にするが、単純には割り切れないものがある。
作るものとしてはやはり、納得できるいいものを作りたい。
「いいもの」これがむずかしい。その価値観の違いにいつも悩まされる。
「まぁー、人の好み、考え方、それぞれ。」と曖昧にして、やり過ごせばいいのだろうが、そうは思えない悲しさ。
あまりに通じない人には、「じゃあー、何でもいいの!」とつい問いたくなってしまう。
けっして我々は、工芸家でも、作家でもなく、またその才能もない。自己表現の手段などとおこがましいことを考えたこともない。
おごらず、素直に、使う人のことを思いながら作っていきたい。
その思いからか自分たちの作る家具には、使い手と少しでも共有できる何かが欲しい。
それを作り手の押しつけ、自己満足と思われるならそのままを受け止めなければならない事かもしれない。
ただ思うは、物にも心があるということである。ものを考える人、それを作る人、そして使う人の思いがそのものに通じる気がする。
そのことはものづくりに携わっている者はより実感でき、粗末には扱えないものである。
家具はそういう物あってほしい。日用雑貨とはすこし訳が違う。
そのためにも、私たち作り手は、自分たちの役割をしっかりと認識し、本質を見失わないようにしなければならない。
安易な欲望を満たすだけの心のない物に惑わされてはいけない。
大切にしなくてはならないことを忘れず、いい家具を作りたい。
by yujibases | 2006-11-21 19:47 | 家具
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